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2009年6月1日月曜日

『いつもいっしょに』


作:こんのひとみ 絵:いもとようこ
(金の星社2008年) 



 親として出来る限りのことをやってあげたい、という親心と愛情から、親は毎日一生懸命「子どものために」と頑張って いるものです。おいしい離乳食や食事を愛情を込めて作ったり、たくさんの育児書を読んで様々な“しつけ”に挑戦して みたり・・・。ですが、子育てはなかなか思うようにいかないことも多いものです。「せっかく○○してあげてるのに!」とつ いイライラしてしまうこともあるかも知れません。この絵本に登場するくまも、大好きなうさぎのために一生懸命ご飯を作っ たり、お世話をします。ですが、うさぎはいつもニコニコしているだけ、何も言いません。ついにくまはうさぎに言ってしま うのです。「ぼくのことどう思ってるの?なんとか言ってよ!」と・・・。人は何かを与えることで、無意識に相手に見返りを 求めてしまいがちです。子育ても同じなのかも知れません。 「子どもとはこうあるべき」という思いを一度リセットして、何 が出来なくても「ただここにいてくれるだけでいい」と子どもの存在を理屈抜きで丸ごと受け止められると、見返りは必要 なくなります。そして、お母さん自身もありのままの自分でよいのです。育児書や周りの目に戸惑ったり傷ついたり、焦っ たりせずに、「母親とはこうあるべき」という理想像をリセットして、自分のペースで自分流の子育てを楽しんでいただけたらいいなと思っています。 



ほっと れもんてぃ保育士 齋藤麻美