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2009年10月1日木曜日

「育児は笑顔と共に ~時に悩みつつ、試しつつ、少しずつ「親」になっていく~」

皆様の育児の参考にしていただけたらと、『育児のヒント』を記載 しています。
今回は、湘北短期大学 保育学科准教授 實吉明子先生です。

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言葉が遅い。発音が妙。独り言を言う。悩みの種は尽きませんね。子どもの発達は個人差が大きいとわかっていても、わが子の一つ一つが心配になってしまう。でも、そのように悩みながら 親の方も成長しているのかもしれません。
 赤ちゃんは生まれたその日から、お腹が空いたり不快感があるときに、泣き声を発します。 周囲の大人は、それを察知して「おなかが空いたのね」「オムツが濡れたのかな~」等と言いな がら応ずるわけです。日が経つうちに、赤ちゃんは、空腹だ・驚いた・痛い・暑い等々、状況に よって異なる泣き声を発するようになり、身近な大人はその泣き声の意味することが判別できる ようになっていきます。泣き声がコミュニケーションの機能を果たしてはいますが、まだ言葉では ありません。ところが、生後 1、2 ヶ月頃には、ア、エー、グッグーなどという「気分のよい時の声」 が現れます。その後、赤ちゃん自身が声をコントロールし始め、声に長短の変化が出てきます。 次第に声は変化し、6 ヶ月頃には音の種類は多様になり、イントネーションにも変化が出てきます。 この発声は赤ちゃんが一人でいるときよりも、周囲に親しい人がいたり、話しかけられたりした 場合に盛んになります。「意味のある言葉」の始まりは 1 歳前後まで待たねばなりませんが、 そのずっと前から赤ちゃんと周囲の人とのコミュニケーションは始まっており、言葉の発達には、 人とかかわろうとする心の発達も大きく関係しているのです。
 赤ちゃんがご機嫌になるような心地よい状況をつくったり、体をやさしく揺さぶったり、なぜたり、 話しかけたり、歌いかけたりしてみましょう。このような日常的なかかわりの中で、赤ちゃんは、安心できる大事なあなたへ向けて、音声を含め、手足をバタつかせる等、全身を使ったコミュニケー ションを盛んにすることでしょう。そのようなかかわりがあれば、いずれ「初めての言葉」が発せられます。 いつになるでしょう。待ち遠しいですね。でも、赤ちゃん一人ひとりのペースがあり、大人の都合に 合わせて進まないのが育児...。
 ところで、昔から遊び継がれてきた「いないないばぁ」をご存知でしょうか。これは、いつでもどこでも 何の道具も必要とせずに誰もが簡単に楽しめる単純で素敵な遊びです。「いない、いない、...ばあぁ」 と、心地よく響く言葉のリズム・間・イントネーションは、赤ちゃんの発話の素地をつくります。言葉を 介して楽しい時間を大好きな人と共に過ごすことの喜びは、言葉を使って他者と繋がろうという意欲 を育てます。それになんといっても「楽しい!!」ではありませんか。赤ちゃんの笑い声につられて 大人も満面の笑顔に。一緒に笑うほどに、子育ては楽しく、子も親も幸せになれます。 




湘北短期大学 保育学科准教授 實吉明子