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2010年4月1日木曜日

『ラチとらいおん』


作・絵:マレーク・ベロニカ
(福音館書店 1965 年) 



 この絵本に出てくる主人公のラチは、とっても弱虫です。そんなラチがライオンと共に 勇気のある少年に成長していく姿が描かれています。 ...ラチは、「らいおんがいたら なんにもこわくないんだけどなあ」と思っていました。ある朝目を覚ますと、ベッドのそばに 小さな赤いらいおんがいたのです。それからラチは、らいおんと一緒にいることで、勇気を 出して様々なことにチャレンジしていきます。いろんなことができるようになり、ついにはラチがいじめっ子から友だちを助けてしまう ほど、大きく成長していくのです!その力の源になっていた気持ちは、「ぼくには、らいおんがついているんだから!」というらいおん の存在と安心感でした...。
 子育てをしている中で、子どもに「こんな風になってほしい」と思い描く姿と異なる、ちょっぴり困った場面 や姿に出会うこともあるかもしれません。そんな時、この絵本を読むと、親が子どもにしてあげられることとは一体何だろうかとふと 考えさせられるのです。何か困った姿などがあったときに、つい「子どものために」とあれこれ手をかけて、声をかけて、時に励まし たり叱ったりしながら、子どもを「変えよう」としてしまいがちです。ですが、この絵本のように、子どもが困った時、何か乗り越えなけ ればいけない時に、「お母さんがついていてくれるから大丈夫!」と子ども自身が思うことができ、自分で乗り越えていく力を身に つけさせてあげられたらと思うのです。弱虫な自分も、ダメな自分も丸ごと受け止めてくれるかけがえのない存在がいてくれることは、 子どもにとって一番の勇気になります。いつか子どもは必ず親のもとから巣立っていきます。その時に「自分」というものに自信を持っ て、自分で生きていく力を、小さな頃から少しずつ身につけています。大人ができるお手伝いは、そこに大きな安心感を与えてあげ ることなのかもしれません。らいおんから、そんなヒントを教えてもらう気がする絵本です。 



ほっと れもんてぃ保育士 齋藤麻美