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2010年4月1日木曜日

「発達の姿」

皆様の育児の参考にしていただけたらと、『育児のヒント』を記載しています。 
今回は、あゆのこ保育園 町田和子園長です。

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 日差しがだいぶ柔らかくなり、風に乗って春の匂いも感じられるようになりましたね。 さて、あゆのこ保育園でも 4 月から新年度がスタートしました。この 1 年間を振り返ってみると、子ども達の 成長に驚くばかりです。昨年の 4 月には 0 歳児クラスで寝返りもままならなかった A ちゃん、先月のある 日には、嫌なことがあってか泣きながら地団駄踏んで自分の気持ちを表している姿がありました。保育士 は、「A ちゃんがあんなふうに、からだ全体を使って自分の嫌な気持ちを表せるようになったなんて、すご いね!」と話していました。
 このごろスプーンを使って上手に給食を食べられるようになった 2 歳児の B ちゃん、今まで自分の使っ ていたおもちゃを友達に取られるとただ泣いていることが多かったのですが、最近では、「だめ~、B ちゃ んの!!」とお友だちを追いかけて、おもちゃを取り返しにいく姿がみられるようになりました。「自我の育 ちの表れとして強く自己主張する姿」というのはこの時期としては健全な姿ですね。ただ、かみついたり、 ひっかいたり、といったことに結び付くこともあるため、園では保育士が見守り、事故や怪我にならないよ う未然の対応を心がけています。「かみつき」「ひっかき」という現象面だけを見ていると、<困った行為> と映ってしまいますが、ただ、「かみついてはだめよ!」と伝えても、子どもの気持ちはおさまりません。そ こに至るまでの子ども同士のやり取りの様子や、子どもの心の動きを注意深く見守りながら、「B ちゃんが 使っていたのよね。」「取られて嫌だったのね。」など、まずはその気持ちを受け止めてあげることが大切 です。子ども達も、自分の気持ちを分かってくれるという安心感によって、少しずつ自分で気持ちを落ち 着けることができるようになっていきます。
 スプーンを使って上手に食事ができるようになったり、トイレが教えられるようになったり、自分でパジャ マの着脱ができるようになったり・・・。このような姿は、親にとっても目に見える嬉しい子どもの姿ですね。
 でも、子ども達の発達がいつも親にとって嬉しい姿で表れるとは限りません。特に「まわりとの関わり」は、 トラブルやけんかなど、親にとっては困った場面の経験も多く、なかなか望ましい姿として見えにくいかもしれません。子ども達は最初から上手にお友だちと関われるわけではありません。さまざまな経験を通して、 少しずつ周囲との関わりの方法や自分自身の気持ちをコントロールする方法を学んでいきます。時には、 子ども達のモヤモヤした気持ちを代弁したり、気持ちを整理することを手助けしたりしてあげることによって、 子ども達は安心し、自信を持って周囲の世界と関わっていかれるようになります。将来、まわりの人たちと よりよい関係を築いてほしい・・・。そのような願いを込めて、根気よく子ども達の育ちを見守っていきましょう。



あゆのこ保育園園長 町田和子