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2011年4月1日金曜日

「安心感」

  
  皆様の育児の参考にしていただけたらと、『育児のヒント』を記載しています。
  今回は、あゆのこ保育園 町田和子園長です。

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 新学期が始まりましたね。あゆのこ保育園にも新しいお友達が通ってくれるようになりました。保育所 に初めて通われるお子さんには、集団に慣れて頂くための「適応保育(慣らし保育)」にご協力を頂いて います。初日は 45 分程度からお預かりし、お子さんの様子を見ながら徐々に時間を延ばしていきます。 泣いてしまうお子さんはずっと抱っこで過ごすこともあります。一日 8 時間程度お預かりするお子さんの 場合は、2 週間くらいかけて丁寧に行います。「こんな状態で、いつになったら仕事に専念できるのかし ら?」と不安になられたり、「おばあちゃんの家に預けても泣かないから、うちの子は大丈夫」などとおっし ゃる方もいらっしゃいます。でも、子ども達の気持ちを考えてみてください。知らない場所で、おうちの方 と離れて、知らない大人に預けられて・・・、不安を感じない子どもがいるでしょうか? 早くお仕事を始め たい、という保護者の方のお気持ちはよく分かるのですが、ここは、まさに「急がばまわれ!」なのです。

 保育士は、「大丈夫、ママはもうすぐお迎えに来るよ」と子ども達に言い聞かせます。そしてママが登 場。「ほらね。ちょっと待っていればママが来てくれたね! よかったね!」 この「安心感」を子ども達に しっかりと実感してもらうために 2 週間程度という期間が必要なのです。最初に丁寧に時間をかけること で、子ども達は心身ともに安定し、その後の保育園生活がスムーズになります。逆に、この適応保育の時 期に無理をしてしまうと、1 カ月位経った後で体調を崩したり、突然「保育園に行きたくない!」とぐずりだ したり、という姿が現れるケースが少なくありません。

 子ども達が玩具で集中して遊んだり、お友達と関わったり・・・と外の世界との関わりに一歩を踏み出す ためには、子ども達の心に「安心感」が根付いていることが必要です。親としては、「べったりくっついて いないで親から離れてお友達と関わってほしい」とか、「自分からどんどん好きな玩具のところへ行って 遊んで欲しい」、などと願っていらっしゃるかもしれません。でも、無理じいはしないでください。環境に慣 れて、おうちの方が“見てるから大丈夫よ!”というサインを送り続けていれば、少しずつ自分から離れ て、周囲に関心を持ち始めることでしょう。ときどき、振り返ってママがいることを確かめたり、不安なことがあると玩具を放り出してママのお膝に戻ってきたりする姿があるでしょう。そんな時は「ここにいるから大丈夫 よ!」とギュッと抱っこして安心させてあげてください。

 子ども達は心の中で「安心」の距離を探りながら、少しずつ外の世界へ興味・関心を広げていきます。保 育所の「適応保育」のように、どうぞ時間をかけて、ゆっくりと丁寧に子ども達の「安心感」を育てて頂ければと 思います。


あゆのこ保育園園長 町田和子