千歳飴といえば、“七五三”と皆さんすぐに思い浮かべ
られるのではないでしょうか。子どもが大人になるための
人生の節目の通過儀礼として現代でも残っているものの
ひとつが、この七五三です。
江戸時代くらいまでは武家社会では子どもの成長を祝う儀式に、三歳男女児は髪を伸ばし始める「髪置き(かみおき)」、
五歳男児は初めて袴をつける「 袴 着(はかまぎ)」、七歳女児は、それまで帯の代わりに付けていた付け紐をとり、
本仕立ての着物と丸帯という大人の装いをする「帯解き(おびとき)」の祝いが行われていました。庶民には江戸時代の末ごろになって広
まり、明治時代以降、11月15日に七五三の祝いが行われるようになりました。
11月15日は古い暦で、すべてにおいて大吉で、祝い事にはこれ以上ない日だったからと
もいわれています。
千歳飴は江戸時代の元禄のころに浅草寺門前で飴屋
がさらし飴がよく伸びることから縁起物として売り出し、全
国的に広がったものといわれています。千歳には千年と
いう意味から長寿の願いがこめられています。そして、飴
を作るときに引っ張って長く伸ばすことから子どもが長生
きできるようにという願いがこめられているそうです。
(参考:新藤由喜子著『年中行事・記念日から引ける子どもに
伝えたい食育歳時記』、ぎょうせい、2008 年)