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2011年10月1日土曜日

「まだ あかちゃんと 思わないで‥」


皆様の育児の参考にしていただけたらと、『育児のヒント』を記載しています。 
今回は、東京都市大学人間科学部児童学科教授 山岸 道子先生です。 


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 あどけなく かわいい3歳未満の時、でも子どもの内面はかなりなスピードで発達をしています。そしてよく振り返ってみると「幸せな人生」を送るために大切な発達の基礎づくりをしているのです。それを育むのがこの時期の大切な育児です。でもその時期にできなかったからといって落ち込まないでください。人間は何時でも気付いてやり直しことができますから・・・ 2点を軸にお伝えしたいと思います。

 1  乳児は自分の命を守るためにさえ何もできません。必死で自分の命を守る人を探します。それを「アタッチメント(愛着)の形成」といいます。たいていはお母さんで(お母さんを頼り大好きになることで)自分の命を守ります。でもそれは人間関係の始まりで、拠り所を得て人生に勇敢に、意欲的に取り組む原点です。甘えを十分に受容しましょう。そうすれば3歳できれいに自立できるのです。甘えの受容がわがままや甘ったれの子になるということは全くありません。これはやがてよい人間関係を育み・しつけを素直に受け入れ・社会人として大切なことを身につけ、情緒が安定し、意欲的に物事に取り組むことのできる子に育てるスタートです。それらはアタッチメントの形成の結果です。
 それは 8か月の「人見知り」のころが軸になります。これは人嫌いではありません。お母さんとの関係を初めての人間関係として学び始めているので他の価値観を持っている母親(アタッチメントの対象)以外の人とはしばし交流を持てないというサインです。
 それは母親との「送信→ 受信 → 返信」という人生最初のコミュニュケーションなのです。そのためにどうぞわずかなひと時  I期  6カ月~1歳3カ月  II期  1歳3カ月~3歳 を人生に二度とない母親(アタッチメント対象)求めと認識され受容に努力してください。必ず「お母さんもういいよ」とおひざからさって、自立ができた時を迎えるのですから。 

 2  「自己実現」 ができることは人間の幸せです。その源がなんと2歳児の「自我の目覚めの時期」です。自分の考えが出てきてそれにこだわるとたとえ大好きなお母さんのいうことでも自分の意見を譲れなくなります。それが人間が「自分として生きる」ということです。「指示待ち人間」にならず 自分で考え 自分で判断、行動し生き抜いていく重要なことです。この時期は一般的に「反抗期」といわれますが、その言葉は「悪い子・困った子」のように感じます。この言葉は変えたほうがいいのです。自分の意見が出てその子がその子らしく生きる源です。ですから一つ一つの事について「1)十分に説明し 2)選択させてあげて(いくつかの選択肢を必ず与える) 3)子どもが選択したことを評価する」 このような関わり方が自我を大切に伸ばして行く重要な育児法なのです。 


 東京都市大学人間科学部児童学科教授 山岸 道子