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2011年12月1日木曜日

『ちょうどいいよ』


 作:竹下文子 絵:鈴木まもる 
 (佼成出版社 2010年11月発行) 



 自分で出来ることが少しずつ増えていくことは、“大きくなっ た!”と実感でき、子どもにとっても嬉しいこと。でも、小さいか らこそ甘えられるという特別感も幼い子どもにとっては嬉しいこ となのですよね。“もう赤ちゃんじゃないよ!”とちょっと背伸び したいような気持ちと、“まだ大きくないよ、小さいよ...”と甘え たい気持ち。この絵本はそんなふたつの気持ちの間で揺れ 動くゆいちゃんという女の子のお話です。
 ゆいちゃんは、このふたつの気持ちの間で揺れ動きながら 『自分は、本当は大きいの?それとも小さいの?』と疑問を持ち ます。成長していく過程で誰もが一度は似たような疑問や不 満を感じることがあるのではないでしょうか。また、自分では出 来ると思っていても、思ったようには出来なくてひとりで怒りだ したりする、なんてことがあるのもちょうどこの時期ですよね。そ れは、子どもが自立に向かって一歩踏み出そうとしているから こその、必要な心の葛藤です。子どもは大きくなったと感じら れる自分と、まだ小さいと感じられる自分の間を行ったり来たり しながら、一歩一歩成長していくのです。
 このお話はそんな子どもの心が読む人にストレートに伝わ り、こんなことある!と、親子で一緒に共感できる絵本です。 子どもの揺れ動く心に上手く付き合いながら、ゆったりと成長 を見守っていける気持ちのゆとりが持てたら良いですね。 



ほっと れもんてぃ保育士 小島真由美