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2012年2月1日水曜日

『フローラのもうふ』


作/デビ・グリオリ 訳/山口 文生
 (評論社 2003 年) 



 フローラは小さなうさぎの子どもです。フローラのお気に入り は毛布の“もうちゃん”。
 ある晩、フローラは眠れません。だって、「もうちゃん、ないん だもん」と、フローラ。お兄ちゃんとお姉ちゃんが、自分の毛布 を貸してくれようとしますが、「いや、もうちゃんが いい」と眠い 目をこすりながら答えます。そこで、家族みんなで、もうちゃん の大捜索!でもなかなか見つかりません。そのうちに、眠くなっ てしまったフローラはパパの腕の中ですやすやと眠ってしまい ますが...。
 眠るときにフローラのように、毛布やぬいぐるみなどのお気に 入りアイテムがある、というお子さんは結構いらっしゃるのでは ないでしょうか。それぞれこだわりがあり、洗濯すると「違う!」と 言って怒ってしまうなんてお話を聞くこともあります。大人から 見ると、どうしてそんなにこだわるのかしら...?と不思議に感じ ることもあるかもしれません。でも、その子にとっては、安心でき る、特別なものなのですよね。
 “もうちゃんじゃないと...”というフローラに、しかたなく家中を 探し始める家族ですが、そこにはフローラへの愛情がいっぱい 感じられます。自分の大切なものを周りの人も理解してくれ、同 じように大事にしてもらえると、嬉しいものですよね。そんなフロ ーラの心の動きも伝わってくるようです。
 親子共に共感出来る心温まる絵本です。おやすみの前のひ と時に読んであげたい一冊です。 


保育士 小島真由美