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2015年9月30日水曜日

「親や友達を噛むことがあります」(1歳代のお子さんの保護者からよくある相談です)


この年齢のお子さんは、まだ自分の気持ちをうまく言葉で表現できないため、噛むなどの行動で自分の気持ちや感情を示すことがよくあります。噛むという行動に出る時には何らかの理由があることが殆どです。例えば、嫌なことがあった時やイライラしている時、興奮して感情が高ぶった時、手持ち無沙汰でぼんやりとしていた時など、様々な理由が考えられます。嫌な気持ちでの行動の時には大人も察してあげやすいと思いますが、嫌なことや、思い当たるようなことが何もなかった場合はどうしたら良いのでしょう。この場合は、気持ちを察してあげることが難しく、なぜ?どうして?と困ってしまう方が多いと思います。噛むという行動はこの年齢の子どもにとっては感情表現のひとつですので、大人が感情的に強く言っても何を言われているのかが分かりません。まずは噛むという行動になる前に回避してあげられることがいちばん良いでしょう。よく噛んでしまうことのあるお子さんの場合は、どんな時にそういった行動に出ることが多いか前後の様子を見ていくことがお勧めです。お子さんがどんな時に噛みたくなってしまうのか、傾向や理由が何となくわかり、回避するために声を掛けたり、別の遊びに誘ったりなどするタイミングがつかみやすくなるでしょう。

機嫌よく過ごしていて、ににこにこしながら楽しそうに噛んだ場合ですが、楽しい気持ちが何かのきっかけで興奮に変わり感情の高ぶりから噛むという行動になることがあります。この時、噛まれた(噛んだ)ことにびっくりしたお母さん(お父さん)が、大きな反応を示すと子どもは喜んでいると勘違いしたり、反応を示してくれたことが嬉しくて、わざと噛んで反応を見ることがあります。繰り返しているうちに何となく癖のようになっていくこともあるのかもしれませんね。噛まれると、痛いですし、びっくりして思わず大きな反応を示してしまうことはあるとは思いますが、あまり大きな反応をせず、落ち着いた口調で真剣に、子どもの目を見て「痛いから噛まないでね。」とその都度伝えていきましょう。

子どもはお家の人が自分の気持ちを理解してくれているということが分かると、安心します。「○○が嫌だったのね。やめてだね」 「楽しくなりすぎて思わず噛んじゃったのね。でも、噛まれたお友達は痛くて泣いているよ。噛むことはやめようね。」などと、どの場合も子どもの気持ちを受け止めたうえで代弁したり、噛まれた相手の気持ちを伝えてあげられると良いでしょう。そして、噛むのではなくどうしたら気持ちが伝わるのか、言葉での伝え方やコミニュケーションの方法を教えてあげましょう。
 
考文献:加部一彦・佐々木聰子監修(2008)『NHKすくすく子育て QAですっきり!育児のお悩み解決BOOKNHK出版
大日向雅美(1993)『赤ちゃん学シリーズ 子育てがいやになるとき つらいとき』主婦の友社